教材名

髄質着脱式腎臓断面模型  自作
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  • 腎臓断面模型全体

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    腎錐体と腎杯

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対象 視覚障害を有する高等部本科保健理療科、専攻科保健理療科、専攻科理療科生徒
障害種別 視覚障害教育 
単元・活用場面 理療 
ねらい ・特徴的な形状の表現や能動的な模型探索の活動を通じて、学習内容を印象づける。
・腎臓内部の各部の名称を、触察可能な模型の観察を通じて理解できる。
・腎臓の構造を知ることにより、機能の理解を深めることができる。
障害特性に対する配慮点  市販の腎臓断面模型は、色分けが中心で凹凸が少ないため、視覚障害者には各部の形状や位置関係を理解しにくい。そこで全体を前頭面で2分でき、さらに腎髄質を取り外せる模型を作成した。腎臓の内部構造では髄質と皮質の区別が重要であることから、髄質を取り外せるようにし、触察により特徴的な腎錐体の形状と、腎臓内部に入り込んだ皮質の形状を確認できるようにした。また、腎乳頭を取り囲む腎杯は、白い紙で作成し、弱視生徒は保有資格を用いて、全盲生徒は触察によって、その形状を容易に観察できるようにした。
期待される効果及び成果  全体を前頭面で2分でき、さらに腎髄質を取り外せる模型であるため、視覚障害のある生徒が立体的な腎臓全体の形状を把握した上で、断面における皮質と髄質の位置関係、断面で観察できる各部の名称を、全体像から部分へと段階を追って観察し、理解を深めていくことができる。
 腎臓の各部の名称には、腎門、腎洞、腎皮質、腎髄質、腎柱、腎錐体、腎乳頭、腎杯、腎盂(腎盤)と類似したものが多い。教科書の言葉による説明でも、市販の模型でも、理解が困難なこれらの各部の位置と形状を、触察により明確に区別し理解することができる。
 腎錐体とそれを取り囲む腎杯を、模型本体から取り外し、それらの形状と位置関係を観察することにより、腎臓の中心部に向かって流れて来る尿を集める仕組みについて考えることができる。
使い方  本教材は、粘土で作成した腎臓模型である。前頭面で2つに分けられ、断面を保有視覚と触覚で確認できる。また、断面の中から腎錐体を取り出すことができる。
 まず、模型全体を生徒に能動的に観察させ、腎臓全体の形状を説明させる。また、内縁のくぼみに腎門があることを説明し、生徒自身に探索させる。さらに探索したくぼみから模型内部に指を入れさせ、腎臓中心部の空所が腎洞であることを理解させる。
 次に模型を前頭面で2つに分け、断面を観察できるようにして、基本的には表層が皮質で深部が髄質であることを説明する。また、髄質は放射状に配列した腎錐体で構成されていることを説明し、その様子を観察させる。
 模型から腎錐体をすべて取り出し、そのうちの1つを生徒に手渡して形状を表現させるとともに、腎乳頭の位置と形状を説明する。また、腎錐体を取り除いた模型を観察させ、皮質の一部が腎柱となって深部に入り込んでいる様子を理解させる。
 いったん腎錐体をすべて模型に戻した上で、欠陥内の水分から尿が生成される過程を、生徒の指を取って模型上をたどらせながら説明する。最終的に尿が腎錐体内を通って中心に集められるところに腎杯があることを説明した上で、1つの腎錐体を取り出し、先端を包む腎杯の形状と位置から機能を考えさせる。
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書籍ページ番号
  • 情報提供者 工藤 滋(附属視覚特別支援学校)
  • キーワード 腎臓、触察、体験的学習
  • 作成日時 2019-12-25 23:46:55
  • 更新日時 2023-11-08 11:08:34