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地球カレンダーモデル触察教材
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対象 中学部生徒、高等部生徒
障害種別 視覚障害教育 
単元・活用場面 理科 
ねらい ・地球が誕生してから現在までの約46億年の長さや、生命の歴史について、モデル教材の触察(触覚による観察)と操作を通して理解する。
・各地質時代の長さを体感し、地球の歴史の時間的な変遷を理解する。
障害特性に対する配慮点  盲学校の理科の指導においても観察は重要であるが、観察対象が非常に長大なものや微小なものは観察が困難であり、観察方法の工夫が必要となる。そこで、「地球カレンダーモデル触察教材」を用いた体験的な学習を通してねらいが達成できるように工夫した。
 モデル教材は、生徒一人一人に1セットずつ準備した。また、モデル教材は、触察により理解できる大きさとし、両手を動かすことによって各地質時代の長さを実感したり、比較したりできるようにした。
 モデル教材に使用した木材は、縦約2.5cm×横約1.5cm×長さ92cmである。木材の長さは、生徒が両手を大きく広げたときにちょうど収まる長さとした。木材の辺には10cmごとに切れ込みを入れ、全盲の生徒が指で触って分かるようにした。また、同じ箇所に黒線を引き、弱視の生徒が見て分かるようにした。10cmごとの長さは5億年分であり、木材の一方の端からもう一方の端に向かって切れ込みを順に数えていくと、何億年分に相当するか生徒自身が把握することができる。なお、木材の長さは92cmであり、一方の端の2cm分は1億年に相当する。
期待される効果及び成果  視覚障害がある生徒に限らずどのような生徒であっても、地球の歴史が年表のようなイラストで示されているだけでは、各地質時代の時間的な長さを実感することは難しい。
 本教材を活用することで、各地質時代の長さと、地球の歴史の時間的な変遷を体感により理解することができる。
使い方  本教材の活用に先立ち、各地質時代に起きた出来事や古生物等について学習しておくとよい。「古生代の示準化石は三葉虫である」など事前に学習をしておくことで、各地質時代のイメージをもって学習に臨むことができる。
 授業では、まず、木材を配布し、辺に等間隔に切れ込みが入っていること(表面に黒線が引かれていること)に気付かせる。そして、10cmごとの長さは5億年分であることを説明する。木材を横長に置き、一方の端が地球の誕生、もう一方の端が現在であることを伝え、この木材の長さが地球の歴史約46億年の時間の長さを表すことを説明する。
 一方の端から切れ込み(黒線)を順に数えていくと、地球誕生から何億年経ったか(または、現在から何億年前であるか)把握することができることを伝える。そこで、授業者は任意の年を指定し(例えば「現在から25億年前はどこの位置だろうか?」と発問する。)、その切れ込み(黒線)を正しく見付けることができているか確認する。
 次に、輪ゴムを3個配布し、古生代の始まり、中生代の始まり、新生代の始まりと考えられる場所を予想し、木材に輪ゴムを取り付けるように指示する。生徒によって、各地質時代の始まりの場所の推定はまちまちであるので、意見交換すると面白い。
 最後に、各地質時代の始まりの場所を授業者から説明し、輪ゴムを取り付けた場所を正しく移動させる。そして、木材の一方の端(地球の誕生)に両手の指先を置き、片手はその場所に残して、もう一方の手で木材のもう一方の端までたどらせる。地球の誕生から大分時間が経ってから、古生代が始まったこと、古生代、中生代、新生代の時間の長さはそれぞれ地球の歴史全体の長さに比べて短いこと、いずれの時代も地球の歴史全体で考えると最近のできごとであることに気付かせる。
関連する教材や情報  木材や輪ゴムはホームセンター等で購入することができる。

日本視覚障害理科教育研究会 https://www.jaseb.net/
柴田直人, 地球カレンダーのモデル教材, 日本視覚障害理科教育研究会会報(JASEB NEWS LETTER), No. 32, 2013, p. 20.
こんな児童生徒にも役に立つ教材です
書籍ページ番号
  • 情報提供者 柴田 直人(附属視覚特別支援学校)
  • キーワード 地球カレンダー モデル 触察教材
  • 作成日時 2022-01-21 17:30:03
  • 更新日時 2022-02-11 18:13:42