教材名
対象 | 中学部生徒、高等部生徒 |
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障害種別 | 視覚障害教育 |
単元・活用場面 | 理科 |
ねらい | ・太陽の年周運動は、地球の公転による見かけの運動であることを、実習を通して理解する。 |
障害特性に対する配慮点 |
盲学校の理科の指導においても観察は重要であるが、観察対象を視覚的に把握しなければならないものは観察が困難であり、観察方法の工夫が必要となる。そこで、実習を通してねらいが達成できるように工夫した。 実習では、季節ごとに見られる星座の立体コピー(立体図形複写装置)による触図を活用し、生徒一人一人に1セットずつ準備した。 |
期待される効果及び成果 |
太陽の観察であれば、晴れた日に、屋外で体に感じる太陽からの光や熱をもとに、太陽の出ている方角や高度を確かめることができ、大型透明半球と感光器を使えば太陽の日周運動も記録することができる。 一方、星座については、太陽のように光や熱を体感することができないため、直接的な観察は困難である。本実習では、季節ごとに見られる星座を立体コピーによる触図で紹介し、興味をもたせ、関心を高める。触図を活用した実習を通して、太陽の年周運動についての具体的なイメージをもつことができるようになる。 |
使い方 |
① 教室の中心にある机に、太陽に見立てたボールを置く。 ② 太陽に見立てたボールを取り囲むように、教室内の四つの壁等(教室の前側の壁、廊下側の壁、教室の後ろ側の壁、窓)に、黄道12 星座の季節ごとの立体コピー(立体図形複写装置)による図をセロハンテープで貼り付ける。 ③ 太陽に見立てたボールの周りを、天井から見て反時計回りにゆっくりと歩く。このとき、歩いている人は地球のモデルとなり、通り道は地球の公転軌道を表している。 ④ ある場所で立ち止まり、太陽に見立てたボールを背にしたときに、自分の正面にある星座(教室内の壁等に貼られた星座の図)を調べる。これは、真夜中に南中する星座を観察していることと同じである。 ⑤ 同じ場所で、太陽に見立てたボールの方を向いたときに、その奥にある星座(教室内の壁等に貼られた星座の図)を調べる。これは、昼間に南中する星座を観察していることと同じである。なお、実際の空では、地球から見て太陽と同じ方向にある星座は、昼間の空にあり、太陽が非常に明るいため、星座を形づくる暗い星々を観察することはできない。 ⑥ 太陽に見立てたボールの周りを、天井から見て反時計回りにゆっくりと歩き、いろいろな場所で④や⑤と同様に調べる。 ⑦ 太陽に見立てたボールを背にしたときの、自分の正面にある星座(真夜中に南中する星座)の移り変わりや、同じ場所で、太陽に見立てたボールの方を向いたときに、その奥にある星座(昼間に南中する星座、つまり、地球から見て太陽と同じ方向にある星座)の移り変わりを理解する。 ⑧ 真夜中に南中する星座はどのように移り変わるか、また、太陽と同じ方向にある星座はどのように移り変わるか実習を振り返り、太陽の年周運動が地球の公転による見かけの運動であることを考察する。 |
関連する教材や情報 |
黄道12 星座の季節ごとの立体コピー(立体図形複写装置)による図の原図を掲載した。 日本視覚障害理科教育研究会 https://www.jaseb.net/ 柴田直人, 地球の公転と太陽の年周運動の指導について, 日本視覚障害理科教育研究会会報(JASEB NEWS LETTER), No. 36, 2017, pp. 26-29. |
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