教材名
対象 |
小学部高学年、中学部、高等部の生徒 視覚障害と聴覚障害を併せ有し、コミュニケーションが著しく困難な生徒 点字を習得しかつ6点入力が可能な生徒(ただしパソコン使用時はその限りではない) |
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障害種別 | 視覚障害教育 盲ろう教育 |
単元・活用場面 | 国語 情報 特別活動 自立活動 日常生活の指導 |
ねらい |
・コミュニケーション機会の拡大 ・メールによる情報入手機会の拡大 ・日本語の習得機会の拡大 ・人間関係の維持 |
障害特性に対する配慮点 |
・ブレイルセンスは点字や音声のみを頼りに操作が可能な携帯情報端末であり、同時に機器が単体であるため、持ち運びが可能である。 ・ブレイルセンスを活用した電子メールでは、点字での読み書きが可能である他、送信先の機器には墨字(普通文字)として送信者の入力した文字が表示されるため、点字使用者からメールを受け取る側は点字の知識を必要としない。 ・漢字等にも対応していることから、状況に応じて、ひらがな、カタカナ、漢字を使い分けることが可能である他、漢字に変換する際には、漢字の読みが点字や音声で表出されるため、漢字を書いたことがない生徒であっても、読みと意味を確認しながら漢字を選択することができる。 ・パソコンのALTメニューに相当するメニューには、新規作成や新規メールの受信などのアクセス項目が入っているほか、ショートカットキーを活用することで、視覚に障害があっても効果的にメールの作業を行えるようになっている。 ・電子ファイルの添付による共有も可能である。 |
期待される効果及び成果 |
通訳者を介さないコミュニケーションが可能である。具体的には、 ・遠隔でのコミュケーションや点字・手話等の知識を持たない人とのコミュニケーションが可能になることから、人的交流の拡大が期待される。 ・周囲にいる教員や通訳者が不在となりがちな放課後などにも、独力で行えることを生かして、余暇や情報収集のツールとして活用することが期待される。 ・情報に触れる機会が増えるだけでなく、日本語の上達や社会への適応力の向上が期待される。 |
使い方 |
・電子メールのツールとして、ブレイルセンスの導入を検討する際は、使用者がICT機器の利用に適しているかを本人の日本語の習得状況や文字(点字)の習得状況、パソコン等の機器に対する知識の有無等を考慮し、総合的に判断することを推奨する。 ・指導に際しては、個別指導を基本とし、指導時は本人の障害特性やニーズを意識し、本人が理解しやすい言葉遣いや本人の過去の経験との関連付け等を心がける。 ・電子メールの仕組みの理解においては、本文の作成や送受信の過程を手紙に例えることでより理解しやすいと思われる。 ・電子メールを使用するに際して、盲ろう児が初めて使用する場合は、あらかじめインターネットへの接続とメールアカウントの設定をしておくことでスムーズな指導と操作が可能になる。 ・生徒の理解状況によっては、ショートカットキーを活用することで、効果的に作業が行える場合がある。 ・指導のステップとしては、(1)メールの仕組みの理解、(2)タイトルや本文の作成方法、(3)アドレスの入力と送信方法、(4)新規メールの受信と確認方法、(5)返信の方法、(6)メールを用いたコミュニケーションの練習の提示、(7)アドレス帳の作成方法を想定する。 ・指導後もメールのやり取りを続ける、メールを書く時のマナーを教えるなどの継続支援を行うとともに、メールでの交流の協力者を募り、盲ろう児の継続使用を推進する。 ・一般的な連絡手段としてだけでなく、最新ニュースの提供等で、盲ろう児における効果的な情報入手を手助けすることができる。 ・ファイルの添付方法等の指導を行い、ファイル添付を活用したレポートの提出や読み物の提供等を可能にすることができる。 |
関連する教材や情報 |
電子メールの活用は、パソコンにも応用可能である。 パソコンには視覚障害者が操作しやすいメールソフトが多数存在する。また、ある程度読み書きができる生徒の場合、ニュースを集めたメールマガジン等の活用も考えられる。 |
こんな児童生徒にも役に立つ教材です | |
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