教材名
対象 |
中学生 高校生 視覚に障害のある生徒用に開発し、利用しているが、障害の有無、障害種別に関係なく使える。 |
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障害種別 | 視覚障害教育 聴覚障害教育 肢体不自由教育 病弱・身体虚弱教育 言語障害教育 発達障害 盲ろう教育 |
単元・活用場面 | 理科 |
ねらい |
・細胞分裂での染色体の動きを理解する。 ・体細胞分裂と減数分裂の違いを理解する。 ・減数分裂の意義を理解する。 |
障害特性に対する配慮点 |
視覚に障害のある生徒が動画で確認できない内容を、手元の模型を用いて学習するための物。触図のみでは伝えられない内容について、この模型を生徒自身が手で触り、染色体の動きを知り、細胞分裂のようす、体細胞分裂と減数分裂の違い、減数分裂の意義などについて学習します。 そのためには、生徒一人に1セットずつを用意することが肝要です。 最初から教え込むのではなく、生徒に模型を触らせながら、教員は問いかけ、生徒の考えを引き出し、意見をまとめながら、解説は最後にするとよいでしょう。 |
期待される効果及び成果 |
学習内容の正しい理解 積極的な学習態度 |
使い方 |
(1) 生徒一人に1セットずつを渡し、染色体を袋から出させる。(隣席の生徒のものと混じってしまったとき、すぐに分けられるように、染色体の模型の色はセットごとにあえて違えてある。なお、相同染色体4対で作ってある。) (2) 「なにか気づいたことはありませんか?」「染色体は何本ですか?」などの発問で、生徒の発見を促す。「1本の染色体はどれですか?」の発問によって、生徒の考えを聞いた上で、「これが1本の染色体です」と示し、さらにそれは細胞分裂直前の、DNAなどの量が2倍になっている状態の染色体であること、また、スナップボタンは動原体を表していることを示す。 (3) 染色体の長さや動原体の位置が同じものが2本ずつあることに気づかせる。生徒が気づいた上で、同じ大きさ・同じ形の染色体を「相同染色体」ということを伝える。 (4) 体細胞中の染色体数は2nで表されることを伝える。 (5) 体細胞分裂の経過で、後期を示すときには、各染色体のスナップボタンを外し、分かれた(染色分体)1本ずつを机の左右に別々に置かせる。 (6) 減数分裂の過程で、第1分裂中期を示すときには、相同染色体をペアにして対合させる。また、第1分裂後期を示すときは、スナップボタンを外さずに相同染色体のペアを解消させ、机の左右に別々に置かせる。この直後に「染色体数が半減するのはいつですか?」と発問する。その後、減数分裂第2分裂後期を示すときに、スナップボタンを外し、分かれた(染色分体)1本ずつを机の奥・手前に別々に置かせる。 ・・・ 以上、使い方の一例を示しましたが、生徒の反応によって発問を変えるので、授業の進め方が少しずつ変わります。また、減数分裂について考えさせるときには、相同染色体どうしをペアにさせずに「2n=8をn=4にするには、どのように4本ずつに分けたらよいか?」と発問して授業を進めます。手元の染色体模型を触りながら考え、意見を出し合い話し合わせることで、等質に二分するためには相同染色体のペアを解消し分けることが必要であることが自ずとわかってきます。 |
関連する教材や情報 | 武井洋子、中・高等部理科での細胞の学習、視覚障害教育ブックレットVol.13(2010年度1学期号)p.30-37、筑波大学附属視覚特別支援学校視覚障害教育ブックレット編集委員会編、ジアース教育新社発行 |
こんな児童生徒にも役に立つ教材です | 障害の有無に関係なく使えます。視覚に障害のない生徒の場合には、生徒一人に1セットずつでなく、二人1セットでもよいかもしれません。 |
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