教材名
対象 | 幼稚部幼児・小学部児童 |
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障害種別 | 視覚障害教育 知的障害教育 重複障害教育 発達障害 |
単元・活用場面 | 図画工作,美術 自立活動 遊びの指導 就学前教育 |
ねらい |
・幼児児童が、触覚・聴覚・視覚(弱視児童)をもとにすごろくゲームに取り組み、構造や仕組みやルールを理解しながら数の概念・触察力・空間認知力を育む。 ・他者とコミュニケーションを深めながら保有する感覚をフル活用してすごろくを楽しむ。 |
障害特性に対する配慮点 |
視覚障害幼児児童の造形活動において触覚・聴覚・視覚(弱視児童)の活用は、情報入手のための大切な手段となる。こうした障害の特性をふまえつつ、すべての人が共に集い、遊ぶことのできるユニバーサルな教具づくりを目指し、ドレミすごろくを開発した。配慮点は以下のとおり。 ■コマ ・触覚を通して自分のコマと他者のコマとを直感的に判別できるよう単純・明快な形を紙粘土で作成した。またコマごとに色を変え識別しやすくした(丸:黄・三角形:緑・四角形:オレンジ・星:青・ハート:赤・ひし形:紫)。 ・各コマの裏面にマグネットを接着し、コマがスチール製のマスにしっかり固定でき、触察の際に各コマの形が認識しやすくした。 ■サイコロ ・サイコロは厚紙で作成した。サイコロの目は、触覚で認知可能なレリーフ状のシールで表し、視覚だけでなく触れることで確認できるようにした。 ・サイコロの中に鈴を入れ、サイコロをふった行為が音で確かめられるよう工夫した。 ■マス ・マスはスチール製の缶の蓋を活用した。 ・蓋内側の僅かな縁取り(2.3mm)がマスの境界となり、各マスの空間を触覚で認知できるようにした。 ・缶の蓋を利用したマスにはマグネット付きのコマがしっかり固定されるため、触覚を通して、他者のコマと自身のコマとの関係性や自身のコマとゴールとの位置の把握をしやすくした。 ・すごろくのスタートのマスは銀色の四角形、ゴールのマスは特大サイズの丸型、その他のマスは音階ベルと同色の丸型(ド:赤・レ:オレンジ・ミ:黄・ファ:黄緑・ソ:水色・ラ:青・シ:紫・ド:白)とし、マスの形・大きさ・色の区別で直感的に識別できるよう工夫した。 ・スタートからゴールへは左から右方向に進み、隣接するマスは隙間をあけず接するように配置して触覚的に認知しやすいよう配慮した。 ・スタート・ゴール・各音階すべてに点字を貼り付けた。 ・各音階は、マスが手前、ベルを奥に配置した。 |
期待される効果及び成果 |
視覚特別支援学校小学部特別学級在籍児童ならびに盲弱学級1年生を対象にすごろく遊びを展開した。成果は以下のとおり。 ・ゲームに集中し、誰がいくつ進んだか、自分と友だちとの位置関係はどうなっているか、ゴールに一番近い位置にいるのは誰か等、手(触覚)・耳(聴覚)・弱視児童については目(視覚)を最大限活用し情報収集しながらすごろく遊びを楽しんでいた。 ・シンプルな構造と分かりやすいルールからなる“ドレミすごろく”が架け橋となり、教師の最小限の支援のもと、仲間と楽しい時間と場を共有する姿が見られた。 |
使い方 |
1. ゲームの参加者で声出しジャンケンをしてコマの選定、サイコロを転がす順番決めをする。 2. 自分のコマをスタートのマスにセットし、友だちのコマの形や色を確認する。 3. 小さなベルを振って「ドレミすごろく始まるよ!!」と音でゲームの開始を知らせる。 4. 1番目の児童が鈴の入ったサイコロをふり、出た目の数を言葉で伝える。サイコロの目が「2」の場合は、スタートから自分のコマを探し、「ド・レ」と自分のコマを2マス進め、「レ」のマスに置く。マスの奥にある「レ」のベルを鳴らしてコマの位置を音で伝える。 5. 同様に2番手・3番手もサイコロを振り、出た目の数だけマスを進め、ベルを鳴らす。これらを繰り返し、最初にゴールした人が優勝となるが、全員がゴールするまでゲームは継続する。 6. 全員がゴールした後、優勝した児童は、ハンドベルで得意な曲(カエルの歌・チューリップ・ドレミの歌等)を披露する。 |
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